東京都港区にある総合電波塔。正式名称は「日本電波塔」で、日本電波塔株式会社が管理・運営をする。建築家の内藤多仲(たちゅう)が設計し、1958年12月に完成した。高さ333メートル、敷地面積2118平方メートル、重さ4000トン。設計当初よりパリのエッフェル塔(約320メートル)の高さを超えることが目標で、竣工当時は世界で最も高い自立式鉄塔となり、経済成長のシンボルとして大きな注目を集めた。地上150メートルの位置に大展望台、250メートルの位置に特別展望台を有し、関東一円、また富士山や筑波山を一望することができる。来場者数は2006年時点で1億5000万人を超え、東京の観光名所の一つでもある。東京のテレビ局やラジオ局の各種電波の送受信設備を備え、関東全域にデジタルテレビ放送の電波配信などを行っている。12年の東京スカイツリー完成以来、同塔への機能移転を進めており、13年5月にはNHKと主要な民放局の送信機能を移転するとしている。移転後は、一部のテレビやFMラジオ放送の電波送信は続け、東京スカイツリーのバックアップとしての役割を担う。また、電波塔としてだけではなく、災害時などに東京駅を中心とするJR東日本の列車を緊急停車させる信号を発する「防護無線用アンテナ」や、東京都環境局の風向風速計や硫黄酸化物測定器などが取り付けられており、大気汚染等の調査も行っている。