読みや書きに困難を伴う学習障害(LD)のひとつ。読字障害や難読症とも呼ばれる。また、脳梗塞などの後遺症によって読み書きが困難になる場合と区別して、小児期に生じるものは発達性ディスレクシアとも呼ばれる。何らかの脳機能に問題があることが要因とされるが、はっきりとした原因は判明していない。文字の形とそれに対応する音とを一致させるのに困難を伴うのが特徴で、似ている文字の意味や音、形などを混同する。主な症状として、飛ばし読みや書き写しの間違いなどがみられ、数字の記憶などにも困難を生じる場合がある。読字能力が改善した青年期に入っても症状が持続することが多い。また、読む機会が少なくなることによって、二次的に語彙(ごい)や知識の増大を妨げることもある。発現率は、不規則な読み方の多い言語ほど高くなり、英語などのアルファベット圏では、全人口の3~12%を占めている。一方、知的能力には問題がなく、芸術など特定の分野にすぐれた才能を発揮する場合もある。