鉄道のレールの幅に合わせて、車輪の幅を自動的に変換する電車のこと。FGTとも略されるが、Free Gauge Trainは和製英語である。日本の鉄道では、おもに狭軌(1067ミリ)と標準軌(1435ミリ)の2種類のレール幅があり、狭軌はJR在来線や私鉄などで、標準軌は新幹線などで採用されている。通常、電車はレール幅の異なる区間を走行することはできないが、フリーゲージトレインは、車輪の幅を変更することでこれを可能にする。具体的には、レール幅が変わる区間(軌間変換区間)の外側に支持レールを敷き、そこを車輪の外側に付いた軸を使って車体を浮かしながらゆっくりと移動する。その間に、車輪が間隔を変えるためのガイドレールを移動することで、2種類のレール幅の区間を直通で運転することが可能になる。フリーゲージトレインの導入によって、コスト削減だけでなく、乗り継ぎの時間などを解消することができる。国土交通省は、2012年5月、北陸新幹線にフリーゲージトレインを導入する方針を固めた。現在、富山-大阪間を走行する特急サンダーバードの代替にする予定。これによって、財源不足で未着工区間になっていた北陸新幹線の敦賀-大阪間の問題が解消できるが、狭軌では最高速度が時速130キロであること、思いのほか、時間は短縮されないことなど、課題も多い。