警察官が、事件の容疑者や被害者、目撃者を取り調べる際、適切かつ効果的に真実の供述を得るための心構えや手法をまとめた教本。2012年12月13日に警察庁が初の試みとして作成した。警察大学校や警察学校を皮切りに配布され、警察官の教育などに活用する予定で、えん罪防止も期待される。教本ではまず、取り調べに関連する心理学的な知識に焦点を当てている。たとえば記憶がどのように保持され、あるいは変化するのか、できるだけ正確な情報を得るためにはどのような手法が有効なのかなどを得る内容。また、虚偽の自白をする背景には、より重い罪が明らかになることを防ぎたい、大切な人を守りたい、早く釈放されたい、記憶が混乱している、などの原因があり、そうした類型を知ることが必要としている。こうした知識を踏まえた上で、取り調べの流れを準備段階、導入段階、聴取段階、確認段階に分け、ラポール、つまり相互の信頼関係が特に重要としつつ、具体的な取り調べの基本的手法も提示している。