出産にともなう体形変化を気にして、妊娠中でも太ろうとしない女性。20~30歳代に多く見られる。厚生労働省が2007年に妊婦254人について調査したところ、妊娠中に食事制限を行った人が約35%、1週間に3回以上食事を抜いた人は約10%にのぼった。通常、妊娠すると体内で胎児、羊水、胎盤、血液が作られるため、妊娠期間の10カ月間で7kg程度体重が増す。同省が06年に発表した「妊産婦のための食生活指針」では、妊婦のやせすぎは切迫流産や切迫早産、太りすぎは妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)などを招きやすいとしている。また、妊娠前の肥満指数〔BMI=体重(kg)÷身長(m)の2乗〕が18.5未満の「低体重(やせ)」、および18.5以上25.0未満の「ふつう」で、妊娠期間中の体重増加が7kg未満の場合、2500gに満たない低出生体重児を出産するリスクが高まる。そのため妊娠期間中の体重増加について、「低体重(やせ)」の人で9~12kg、「ふつう」の人で7~12kgという推奨値を設定し、注意を呼びかけている。