肉や魚などの動物性食品を避け、野菜や穀物、豆類、果物などを食べる菜食主義者のこと。ベジタリアンという言葉は、英国ベジタリアン協会が発足した1847年に初めて使われた造語で、ラテン語のvegetus(ベゲトゥス 「生き生きした」などの意)に基づく。菜食主義の理由としては、宗教の戒律、健康の維持、ダイエット、動物愛護などがあるが、加えて近年では環境問題や食料問題に対する社会的意識から菜食を選ぶ人が増えているとされる。ベジタリアンのなかでも、卵や乳製品まで含めて動物性食品を一切食べない完全な菜食主義者は、ビーガン(vegan)、またはピュア・ベジタリアンと呼ばれる。これに対し、卵と乳製品を食べる人をラクト・オボ・ベジタリアン(lacto-ovo vegetarian)といい、欧米のベジタリアンの大半を占める。同様に、植物性食品と乳製品を食べる人はラクト・ベジタリアン、植物性食品と卵を食べる人はオボ・ベジタリアンと呼ばれる。肉を少ししか食べない人や、魚介類または鶏肉に限って食べる人がセミ・ベジタリアンと呼ばれることもあるが、肉類も魚介類も一切食べない人をベジタリアンとする英国ベジタリアン協会の定義には当てはまらない。