女性の体内から取り出した卵子を急速凍結して保存すること。日本産科婦人科学会では、不妊治療の一環で既婚女性に限り認めていた(未婚女性の場合、第三者への譲渡や売買などが懸念されるため)。国内の民間不妊治療施設で構成される「A-PART日本支部」(支部長・宇津宮隆史セント・ルカ産婦人科院長)は、日本産科婦人科学会に悪性腫瘍の治療で不妊になる恐れがある未婚女性の卵子を治療前に凍結保存する臨床研究の実施を申請しており、2007年1月22日、東京都内で開かれた倫理委員会小委員会において認められた。07年2月から3年間で約300人の卵子を保存する予定。凍結保存した卵子で妊娠が成立した場合、出産とその後の成長を追跡調査する。対象は、白血病およびこれに準ずる血液疾患のある15歳以上の未婚女性で、卵子凍結保存以外の医療行為では、治療後に妊娠成立の見込みが極めて低い場合に限られる。また、未成年者は親の同意が必要になる。日本産科婦人科学会では、卵子採取によって治療が遅れるなどの不利益が患者に生じないようになど、慎重な対応を求めている。