行方不明者届を悪用して、ストーカーや、ドメスティック・バイオレンス(DV)の加害者が、被害者の所在を突き止めようとするのを阻止するシステム。全国に先駆けて奈良県警が開発し、2012年から本格的に運用を始めた。行方不明者届は、家族や内縁者、関係する福祉事務所従事者や会社の上司などが、行方不明者の捜索のため警察署に提出する書類。これを受理した警察署では、関係各所に報告し、行方不明者を捜索、発見した場合は届け出た人に通知することになっている。ストーカー行為やDVを受けている被害者の場合は除かれるが、それをすり抜けるケースもあった。新システムでは、被害者が事前に登録すれば、加害者が行方不明者届を出した際、「不受理リスト該当あり!要確認!」と表示される。現在は奈良県内での届け出に限られているが、運用10カ月で数十件の加害者からの届けを防いだという。