とぎ洗いせず炊飯できるよう調整された米のこと。通常、精米機で精白した米は、表面に強粘性の肌ヌカが残っており、そのまま炊くとご飯がヌカくさくなってしまう。対して無洗米は、精白米をさらに加工し、肌ヌカをとり除いてある。水道代や手間が節約でき、とぎ汁による水質汚染の軽減も評価され、生産量は年々増加している。数種類の加工法があるが、現在の主流は、株式会社東洋精米機製作所(本社・和歌山県和歌山市)が開発した、BG精米製法(bran grind)またはヌカ式というもの。精白米をステンレス製の筒で高速撹拌(かくはん)し、肌ヌカを金属壁に粘着させて剥がしとる。工程に水を使わないので、主成分の炭水化物やたんぱく質の含有量を変えず、水溶性の栄養成分であるビタミンB1、ナイアシンなども残せるのが特長。このほか、精白米に少量の水を加え、タピオカでんぷんで肌ヌカを吸収するNTWP(タピオカ式)、水で洗い落として即乾させる水洗い式、ブラシや不織布などでこすり落とす研磨式などがある。日本精米工業会は、無洗米の品質基準について、5グラムの米を400ミリリットルの水に入れ、30秒間撹拌した際の濁りが40ppm以下であり、かつ一般精米と同等の品質であること、と規定している。