別れる夫婦が知人や親戚に再出発を宣言する儀式。離婚に対する否定的な印象を一掃し、離婚後の新たな出発を知人らとともに前向きにとらえる、というのが主な目的。儀式としての体裁をとらない場合は、離婚パーティーとよばれる。アメリカでは結婚したカップルの約半数が離婚するという高い離婚率を背景に、離婚パーティー関連商品などを含めた離婚ビジネスの一つとして広まりつつある。日本でも2009年より離婚式プランナー寺井広樹が離婚式を企画、10年3月より離婚式ツアーを旅行会社と合同で商品化した。ツアーの内容は、浅草寺から古民家をリフォームした離婚屋敷へ移動し、離婚式をとりおこなった後、昼食会がひらかれるというもの。ツアーは約2時間で、浅草観光と昼食代を合わせて1人3000円。再出発する夫婦が別々の人力車に乗って会場に向かう演出や、式の最後には、2人でハンマーを握って指輪をたたきつぶすイベントがあり、前向きな再出発を祝う。厚生労働省によると、09年の離婚件数は約25万件で、1960年と比べると約3.6倍に増加。2分4秒に1組が離婚していることになる。