つきまといや待ち伏せ、交際の強要といった(ストーカー)犯罪や、配偶者などからの暴力(DV)の被害者が、電話番号などを事前に登録しておく制度。兵庫県警が2004年から実施している。ストーカーやDVの被害者は、警察に住所、氏名および年齢、自宅または避難先や携帯の電話番号、被害内容(ストーカー被害かDV被害か)を登録しておく。すると、通報したときに名乗ることができない状況でも、警察の通信司令室のモニターに、自宅地図や氏名、ストーカー被害者ならST、DV被害者ならDVという表示が出る。また、携帯電話の場合はGPS(全地球測位システム)で現在地が特定できる。11年4月現在、兵庫県内では4755件の登録があり、車で男に連れ去られた女性が、無言のまま110番につなぎ続けて無事保護されるなど、重大事件を未然に防いだケースもある。11年5月に神戸市の女子大生が元恋人に襲われて重傷を負った事件では、犯罪は防げなかったが、緊急配備の指令は無言の通報から38秒後、警察官が現場に到着したのは約10分後という早さだった。同様の制度は全国で各県警が独自に行っており、転居した場合はそれぞれの生活安全課に照会のうえ、新たに登録する必要がある。