がん患者やその家族らが、「がんとの共存」を語り合う場として開設された外来診療。2008年1月に、順天堂大学医学部の樋野興夫教授が、同学部附属順天堂医院のがん治療センターに設置した。1日4組の予約制で、1組30分程度の「診療」が無料で行われる。従来の診断や治療の枠を超えて、発がんの仕組みから、闘病中の悩みや不安など、がんについての総合的な相談に応じる。樋野教授は、財団法人癌研究会癌研究所などを経て、04年に順天堂大学医学部教授に就任。専門は、病気の原因と発症の仕組みを研究する病理学だが、患者主体の医療を目指し、「がん哲学」を提唱している。当初、試行期間として同年3月までの計5日間を予定していたが、開設早々に予約が埋まったため、4月以降の継続が検討されている。