感情の管理が重要となる労働のこと。アメリカの社会学者、アーリー・ラッセル・ホックシールドが1983年に著した「管理される心」(日本語訳は2000年に刊行)の中で提唱した考え方で、航空機の客室乗務員が無理難題を要求する乗客にも笑顔で応対し続けるような状態をさす。社会の近代化に伴って第三次産業が発展すると、直接、顧客と向かい合う対人サービスが「商品」となる機会が増える。店頭の販売員や学校の教師、介護や看護の現場に働く人々などの、従来の「肉体労働」や「頭脳労働」の考え方では見えてこない、労働の負担への理解が求められている。