政府が社会保障分野で緊急に取り組む対策。年金記録問題や後期高齢者医療制度などへの国民の不安や不満を解消するため、福田康夫首相が2008年6月に策定を表明したもので、7月29日に「社会保障の機能強化のための緊急対策~5つの安心プラン~」と題して具体策を発表した。同プランは、(1)高齢者が活力を持って、安心して暮らせる社会、(2)健康に心配があれば、誰もが医療を受けられる社会、(3)未来を担う「子どもたち」を守り育てる社会、(4)派遣やパートなどで働く者が将来に希望を持てる社会、(5)厚生労働行政に対する信頼の回復、の五つに分類し、約150項目を列挙。特に、産科・小児科の医師不足や救急医療の問題、認定こども園の抜本改革など新待機児童ゼロ作戦の推進、パートや派遣といった非正規雇用の問題への対応などを重要課題としている。いずれもこの1、2年の間に実現を図るとしているが、財源規模が明らかでないなどの問題も指摘されている。