RSウイルスによる急性呼吸器感染症。RSウイルスは、気管支炎や肺炎などを引き起こす代表的なウイルスで、2歳までに100%の乳幼児がかかるとされている。RSウイルス感染症は世界中でみられ、年齢に関係なく感染する。感染のたびに軽症になり、成人の場合は鼻かぜ程度で済む場合が多い。日本では、おもに11月から1月にかけて流行する。鼻汁やつばなどの飛沫により伝染し、感染すると2日から5日の潜伏期間を経て、発熱や鼻みず、せきなどを発症、通常は1週間から2週間で回復する。ただし、生後6カ月以下の乳児や未熟児、心肺系疾患のある乳幼児の場合、母体から受け継いだ抗体だけでは感染防御に不十分なため、重症化しやすく、死亡に至る場合もある。国立感染症研究所の調べでは、2008年の41週目、10月6日~12日のRSウイルス感染症の報告数が1620人あり、例年を上回るペースで患者が増加、手洗いなどの予防の徹底を呼びかけている。