確率論や統計学などの手法を活用して、保険会社などで保険料率や年金の設定、将来のリスクの分析・評価などを行う数理業務のプロフェッショナル。国際的な専門職として海外でも広く知られている。「(公務の)記録員」を意味するラテン語のactuariusを語源とし、保険数理士、保険計理士、保険統計技師、年金数理人などと訳される。おもに保険会社や信託銀行、官公庁などに所属し、生命保険や損害保険、年金の掛け金の算定や収益シミュレーション、商品開発、長期計画の策定やリスク管理分析などを行う。さらに近年では、コンサルティング会社や監査法人に所属して、コンサルティングや外部監査に携わるなど活躍の場は広がっている。アクチュアリーは民間資格で、社団法人日本アクチュアリー会が毎年実施する試験に合格すれば取得できる。受験資格は大学を卒業した者またはそれと同等と認定された者で、数学、生保数理、損保数理、年金数理、会計・経済・投資理論の基礎5科目による第1次試験と、専門2科目による第2次試験が行われる。正会員、準会員、研究会員の3種類の会員資格があり、全科目に合格すると正会員、基礎5科目に合格すれば準会員、1科目以上に合格すれば研究会員になれる。会員数は2011年度で約4500人。専門的な数学の知識を直接生かせる職種として、理系学生からの注目が高まっている。