脱水症の初期段階で目立った自覚症状がなく、有効な対策が取られていない状態のこと。医師らによって2012年6月25日に発足した「教えて!『かくれ脱水』委員会」が名付けた。同委員会はウェブサイト「STOP熱中症『かくれ脱水』JOURNAL」(http://www.kakuredassui.jp/)を公開し、脱水症状についての基礎知識や対処法などを紹介している。脱水症は、進行するまで自覚症状があらわれにくく、気づかないまま一気に重症化し、熱中症に発展する場合がある。同委員会では、かくれ脱水に早い段階で対処することによって、熱中症を予防するよう呼び掛けている。野外だけでなく、屋内や夜間、運転中にも起きやすく、夏バテなどと間違えて脱水に気づかない場合も多い。特に子どもや高齢者は、水分や電解質を再吸収する腎機能や体温調節機能が、未発達または低下しているため、かくれ脱水になりやすい。同ウェブサイトでは、症状の兆候などをチェックリスト形式で調べることができる。また、今日の暑さ指数(WBGT ; Wet-Bulb Globe Temperature)として、気温だけでなく湿度や輻射熱も取り入れて計算した指標を毎日表示しており、指数が25度以上の場合は、かくれ脱水になりやすいとして注意を促している。効果的な予防法としては、塩分などの電解質とその吸収を助ける糖とがバランスよく配合された経口補水液を摂取する経口補水療法などを紹介している。