インターネットに接続できるパソコンを備えたカフェ(喫茶店)。ネットカフェやネカフェと略したり、ネット喫茶、サイバーカフェ(cyber cafe)などと呼ぶこともある。利用者は、飲食をしながらウェブサイトを閲覧したり、オンラインゲームや電子メールの送受信などを行うことができる。日本では、通信環境の整備やパソコンの低価格化などに伴い、2001年以降普及し始めた。その過程で、大量のマンガを自由に閲覧できるマンガ喫茶との融合が進み、現在では多くの店舗が「複合カフェ」として営業している。店内は、まったく遮蔽(しゃへい)のないオープン席、三方を囲まれたブース席、壁や衝立(ついたて)、カーテンなどで仕切られた個室席などがあり、パソコンやマンガ以外に、テレビゲームやDVD、カラオケなども楽しめる店がほとんど。また、多くが24時間営業で、リクライニングシートやシャワー室、ランドリーなどを備えることから、宿泊施設代わりに利用する人も多い。料金体系はさまざまだが、時間制のパック料金が主流になっている。しかし、急速な増加に伴い、不正アクセスや個人情報の不正取得、コンピューターウイルスなどのサイバー犯罪や、青少年による有害サイト閲覧、家出といった非行行為の温床になっているとの指摘もあり、10年に「インターネット端末利用営業の規制に関する条例」を定めた東京都のように、利用者の本人確認やセキュリティー対策ソフトの導入などを業者に義務付ける条例を制定する自治体も増えている。また、格差社会の進展で、定職に就けず住居を失い、インターネットカフェに寝泊まりする「ネットカフェ難民」も現れ、社会問題化している。