国の特別天然記念物、イリオモテヤマネコの唯一の生息地である西表島のある沖縄県竹富町が制定した条例で、正式名称は「ねこ飼養条例」。2008年6月18日の町議会定例本会議で可決成立。01年に施行された同条例を全面改正したもので、ネコの飼い方を厳格に規定し、飼いネコとの接触によるネコエイズやネコ白血病などの感染症からイリオモテヤマネコを保護するのが目的。西表島だけの措置として、国内で初めて飼い猫へのマイクロチップ埋め込みや、ウイルス検査、予防接種、屋外で飼う場合の不妊・去勢手術などを義務づけ、違反した場合の罰則規定も定めた。イリオモテヤマネコは、推定生息数100頭以下で、環境省のレッドリストでは、ごく近い将来野生での絶滅の危険性が極めて高い「絶滅危惧IA類」に分類。ペットの無責任な放し飼いや遺棄などにより、在来希少種への脅威が深刻化する中で、関係者はこの条例が一つのモデルケースになることを期待している。