昭和大学歯学部がロボットメーカーのテムザックと共同製作した人間型歯科患者ロボット。歯学部の学生による治療の実習用に開発され、2010年3月25日に報道陣の前で実技の様子が公開された。昭和大学歯学部では、ヒューマノイドロボット研究で知られる早稲田大学理工学術院の高西淳夫教授、工学院大学工学部の高信英明准教授と共同で、10年前から技術開発を続け、今回発表されたのは第3世代となる。ロボットは身長157cmで、まぶた、眼球、あご、舌、首が合計8方向に動く。治療中、不用意に身体へ接触しないよう配慮を促すため、女性モデルとなっている。痛みを感じるような治療をすると、「痛い」と言葉を発し、首を振る。つばを飲みこむ、むせる、くしゃみをするなど、治療時に想定される動作のほか、器具を奥まで入れすぎると嘔吐(おうと)したり、口が疲れて閉じようとしたりする反応も取り入れた。治療する学生の様子を見ながら、インストラクターがタッチパネルでロボットの動きを操作するほか、プログラムでの自動制御も可能。学生の臨床技術育成を目的に、今後は大学の歯学科向けに販売する計画だという。