生物多様性を保全するため、国立公園・国定公園内において、海中のみならず海上を含む海域を一体にとらえて指定される保護区。従来、海中(水面下)の熱帯魚・サンゴ・海藻・その他の生物、あるいは海底の地形が特に優れている海中景観を維持するため、公園計画に基づき、海中公園地区として指定されてきたが、2009年の自然公園法の改正により、海中公園地区を広げる形で新設され、サンゴ礁などの海中景観のほか、干潟や海鳥の生息地である岩礁を含む海域の保全を目的とする。海域公園地区では、埋め立てはもちろん、港湾など工作物の設置のほか、必要に応じて動植物の採取が規制され、エンジンの付いた船の利用も制限される。海域公園地区は09年に2359ヘクタールが指定されているが、環境省は10年10月、12年度末までにこれを4700ヘクタールにまで広げる方針を明らかにした。