2010年11月29日~12月11日にメキシコのカンクンで開かれた国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)で採択された、温室効果ガス削減など温暖化対策の国際ルール作りに向けた、新しい合意。主な内容は、(1)温暖化ガスの排出削減に関する国際ルールで、12年末に効力を失う京都議定書以降の削減枠組みで、「空白期間」を作らない、(2)従来、削減義務がなかった中国やインドなどの新興国にも一定の削減を求める、(3)京都議定書から離脱したアメリカも削減目標を提示する、(4)削減状況を検証する国際的な制度を創設する、(5)途上国の温暖化対策支援のため、年間1000億ドル(約8兆4000億円)規模を目標にした「グリーン気候基金」を設立する、など。前回、09年12月の第15回締約国会議(COP15)で承認されたコペンハーゲン合意は、先進国と途上国の間で利害が激しく対立して正式採択に至らず、「合意に留意する」にとどまるものだった。今回のCOP16でも、京都議定書の延長や検証制度の導入などをめぐり、各国の意見は対立したが、互いに説得工作や妥協を重ね、最終的に合意の正式採択に至った。次回のCOP17は、11年暮れに南アフリカ共和国で開催される。