児童虐待防止法は2000年に施行していたが、虐待を受けている児童の保護を行う児童相談所や都道府県知事の権限を強化することを柱として、07年5月に成立した改正法。08年4月に施行予定。児童虐待防止法では、児童虐待にあたる行為を定義づけて、虐待を発見した者の通告義務、国や自治体の保護義務などを定めている。しかし、虐待を行っていると疑われる保護者が、親権を理由に調査や保護を拒み、児童の早期保護が困難な例が多発していたため、対応が求められていた。07年の改正により、虐待の疑われる保護者に対して、都道府県知事が出頭を求めることが可能になり、拒否を続ける保護者には、裁判所の許可を得て、強制的な立ち入り調査を実施できる。また、児童相談所が強制的に保護した児童に対する、保護者のつきまといを、罰則つきで禁止できるなど、児童の保護に重点を置いた改正となった。厚生労働省によれば、1999年度に1万1631件だった児童相談所の虐待相談対応件数が、2005年度には3万4472件にのぼるなど、増加の一途をたどっている。