植物に由来するポリフェノールの一種で、緑茶や紅茶、烏龍茶などの茶葉に含まれる渋味成分のこと。タンニンとも呼ばれる。1929年、緑茶を研究していた理化学研究所の辻村みちよによって初めて確認された。抗酸化作用、抗がん作用、抗菌作用、血中コレステロールや体脂肪を低下させるなど、近年の研究で様々な効果が確認されている。東北大学公衆衛生学のグループが94年~2006年にかけて行った調査では、緑茶をよく飲む女性に肺炎で死亡するリスクが低いことがわかった。緑茶を飲む量が1日1杯未満の女性を基準とすると、肺炎死亡リスクは、1日1~2杯飲む女性では59%、3~4杯では55%、5杯以上では53%に低下していた。ただし、男性では緑茶の摂取頻度と肺炎死亡リスクに関係はみられなかったという。また、カテキンの抗ウイルス効果に注目し、インフルエンザの感染予防に緑茶でのうがいを実施している学校などもある。09年7月には、大阪大学と横浜市衛生研究所の共同チームが、カテキンを加工しインフルエンザ治療薬に応用する技術を開発したと報じられた。