内閣府が毎年行っている、国民の価値観や満足度、期待感などを把握するための調査。対象年齢や人数は年によって多少異なるが、全国に居住する15歳以上の男女4000~6000人を無作為に抽出、調査員が調査票を配布・回収する方式で行っている。1971年に予備調査を実施し、翌72年から「国民選好度調査」として本格的に開始された。国民生活白書の基礎データや国民生活にかかわる政策の立案に利用される。84年からは、3年を1周期として、1年目は国民の意識やニーズを時系列的に把握するための調査を、2年目と3年目はさらに時々の重点テーマを掘り下げた調査を行っている。たとえば、2005年は時系列調査、06年は「家族・地域・職場のつながり」、07年は「近年の経済・社会システムの変化や価値観の多様化に伴う国民の意識及び行動様式」がテーマになっている。
09年度の調査は、幸福度を表す新たな指標作りを目的に、国民の幸福感や満足感をテーマに実施され、10年4月に結果概要が発表された。これによると、幸福感の現状は「とても不幸」0点から「とても幸せ」10点の11段階で男性平均6.24、女性平均6.69と女性のほうが高く、特に7点以上をつけた人は男性48%に対して女性は59%だった。年代別では、7点以上をつけた割合が30代が61%ともっとも高く、年代が上がるにつれて幸福感は低下している。このほか、企業や政府への期待感は、給与や雇用の安定、年金や医療介護、子育てなどに対して高く、現在の社会情勢が色濃く反映された内容となった。