健康な人の咽頭に生息するEBウイルス(Epstein-Barr virus)などが、リンパ球に感染して起こる病気。医学上の正式名を伝染性単核症、または伝染性単核球症(infectious mononucleosis ; IM)といい、感染者は長期間ウイルスを保持し、唾液中に排せつすることから、キス、飲み物の回し飲みなどでうつりやすい。欧米では若年~青年期に発症するケースが多いが、日本人は2~3歳の乳幼児期のうちに約7割が初感染し、ほとんどは症状が出ないまま体内に抗体ができる。そのため20代の日本人の9割以上は抗体を持ち、この病気にかかる心配はないといわれている。ただし乳幼児期に感染せず、思春期以降になって初感染すると、4~6週間の潜伏期を経て、全身の倦怠感や筋肉痛、38度以上の発熱、のどの痛み、頸リンパ節の腫れ、まぶたの腫れといった急性症状が現れる。また、まれに肝臓や脾臓の腫れ、皮膚の発疹が見られることもある。症状が自然とおさまりやすい病気なので、特別な治療法はなく、一般的には対症療法が行われる。免疫不全症などにかかっている人は、重症化、長期化しやすい。