自殺予防に必要な、うつ病に関する医学的な知識や、カウンセリングなどの心理学、高齢化、地域づくりなどの社会福祉学的知識を体系的に学ぶ課程。全国で年間3万人を超える自殺者への対策として、地域や職場で実践的に自殺予防にかかわる専門家を育成することが目的。対象者は市町村職員、保健師などの実務者と、より高度な研究を目指す大学院生。自殺予防に対する活動が、2007年度から文部科学省の補助対象事業に指定されたのを機に、日本で初めて、秋田大学大学院で開講される。本格的な開講は08年度からで、2~3年後に修士の学位が授与される正式な課程への移行を目指す。秋田県は、厚生労働省の人口動態統計によると、07年の自殺率(10万人当たり)が42.7で12年連続ワースト1。県では、民間団体や、各自治体、秋田大学とともに自殺予防モデル事業に取り組んでいたが、主導する自治体側の人材不足の解消が喫緊の課題であったため、自殺予防学の創設を計画した。