65歳未満の比較的若い人が発症する認知症。病態は高齢者がかかる老年性の認知症と同じで、何らかの後天的な原因によって脳の神経細胞が消失し、病状が進むにつれ記憶・判断能力が低下し、日常生活が困難になる。原因や特徴で見ると、若年性認知症に最も多いのは、脳梗塞(こうそく)や脳出血など脳血管障害に起因する脳血管性認知症で、厚生労働省の調査で全体の39.8%を占めた。第2位は原因不明の脳の変性疾患であるアルツハイマー病(アルツハイマー型認知症)で25.4%。以下、頭部外傷後遺症7.7%、前頭側頭葉変性症3.7%、アルコール性認知症3.5%となっている。同調査によると、2006~08年度の3年間における18~64歳の若年性認知症者数(推計)は、人口10万人あたり47.6人(男性57.8人、女性36.7人)で、国内総数は3万7800人、発症平均年齢は51.3歳±9.8歳とされた。また、介護家族に対する生活実態調査で、発症後に家計収入が減ったとする回答が7割にのぼり、家族介護者の約6割が抑うつ状態にあることも判明した。