地域の食文化を大事にする「スローフード運動」の精神を生かしてまちづくりをしよう、という理念により1999年10月に始まった、小都市のネットワーク。発祥の地イタリアの言葉で「Cittaslow(チッタスロー)」ともいう。グローバリゼーションの影響で行き過ぎた効率重視や大量消費が進むなか、失われつつある都市の個性や固有の食文化、生活リズムなどを守り、住民一人ひとりの住みやすさはもとより、訪れる人々にも心地よいまちづくりを目指す。ネットワークに加盟できるのは人口5万人以下の都市で、参加都市はスローシティーの憲章に則ったまちづくりが義務づけられる。スローシティーとしての評価基準も設けられており、環境保全や景観の質、市民の意識や地域の産物の流通促進から観光客への対応まで、多岐にわたる内容となっている。イタリアを始め、イギリスやドイツ、ノルウェーやポーランドなど、世界各国で100以上の自治体がネットワークに加盟している。