虐待や育児放棄、生活困窮など様々な理由で家族と暮らせない、心に傷を受けた子どもと、里親が集まって同じ敷地内で生活する施設。2010年4月24日、福岡市西区で開村式が行われた。各地の児童相談所を通じて受け入れた乳幼児5~7人を、それぞれの家で新しい家族として、「育親」と呼ばれる里親が養育し、地元の学校へ通い、地元の支えを得て社会とのつながりを学び、自立に至るまで支援する、新しいしくみづくりを目指している。福岡市西区今津の市有地約3500平方メートルを借りて作った「村」には、家族用住宅5棟と「村長」の家を兼ねたセンターハウス1棟があり、児童福祉の専門家が村長として住み込む。センターハウスには、小児科医や臨床心理士などの専門スタッフらが定期的に通い「親子」を支援する。オーストリアに本部を置く国際NGO「SOSキンダードルフ」が世界132カ国、450カ所で展開する取り組みの、日本で初めての導入例となる。日本では医師らで作る特定非営利活動法人(NPO法人)「子どもの村 福岡」が運営。地元を中心とした企業や団体、個人会員からなる支援会が、建設費約2億4500万円をはじめ、年間約5000万円の運営費用を支える。