災害発生から次の災害までの流れを一つのサイクルとしてとらえる考え方。組織、団体によってさまざまな例があるが、アメリカの災害時の緊急対応などを担当する機関である連邦緊急事態管理庁(FEMA Federal Emergency Management Agency)では、(1)災害が発生した場合に被害を最小限に抑える「対応(response)」、 (2) 長期間にわたり公共サービスなどの復旧を行う「復旧(recovery)」、 (3)建物を災害の危険から避けて建設するなどの「緩和(mitigation)」、(4)建築基準の見直しなど、次の災害の危機を縮減するために計画をたてる「危機縮減(risk reduction)」、(5)計画のマニュアルなどを公共機関に配布する「防災(prevention)」、(6)防災訓練や備蓄、設備などを行う「準備(preparedness)」といったフェーズを設定している。また、日本赤十字社では災害医療の段階を、「フェーズ0」生存者が自助・相互援助を行う(災害発生~数時間)、「フェーズ1」救急医などが系統的な救助医療を行う(~48時間)、「フェーズ2」内科や外科の総合医療チームが初期集中医療を行う(~14日間)、「フェーズ3」後医療および更生医療(~数カ月から数年)といった細かいフェーズ分けを行っている。