目の継続的な使用によって変化する視力のこと。これまでの視力検査では、裸眼視力でも、メガネやコンタクトレンズを使用した矯正視力でも、ランドルト環と呼ばれるアルファベットの「C」に似た記号や文字を使い、一瞬でも見えた値、いわば瞬間最大値を視力としてきた。しかし、日常の生活では、車の運転やテレビの視聴、パソコンの操作で画面を見続けるなど、継続的に目を使う機会が多い。そこで新たに開発された実用視力計を使い、1分間、時間を追って連続的に測定した数値を実用視力とする概念が生まれた。健康な人の場合は、1分経過しても最初の視力を保持できるが、ドライアイなどの場合は、検査直後から数値が下がるケースもある。その原因は、目の表面に涙をなめらかに付着させる粘液物質、ムチンの分泌量の減少と考えられている。