日本で初めての、屋内での喫煙を規制する神奈川県の条例。正式名称は「神奈川県公共的施設における受動喫煙防止条例」。2009年3月24日、神奈川県議会本会議で賛成多数により可決、成立した。10年4月から施行される。受動喫煙による健康被害から県民を守るという目的で、学校、病院などの公共施設や、飲食店や宿泊施設などの民間施設も規制の対象となる。松沢成文知事は07年の知事選挙の公約に掲げ、当初「全面禁煙」を目指したが、飲食やパチンコなどの関連業界からの反発が強く大幅に見直された。病院や官公庁、学校、映画館、百貨店、金融機関、図書館、博物館、遊園地、福祉施設、公共交通機関、公衆浴場、公会堂、体育館などは全面禁煙。床面積100m2超の飲食店、700m2超の宿泊施設、ゲームセンター、カラオケボックスは11年4月から禁煙か分煙を選択。100m2以下の飲食店や700m2以下の宿泊施設、キャバレー、ナイトクラブ、マージャン店、パチンコ店は禁煙・分煙が努力義務となり規制から外れた。違反者に科す過料は施設管理者は2万円、喫煙者本人は2000円だが、違反者の確認方法、過料の徴収体制は未定で、また約20万カ所の罰則適用施設に対し、たばこ対策にかかわる県職員が少なすぎるなど今後の体制作りの課題も多い。