不審な死因を究明するため、CT(コンピューター断層撮影)やMRI(磁気共鳴画像)などを用いて行う遺体画像診断のこと。死亡時画像診断ともいう。不慮の事故や死因が明らかでない死亡者については、通常、遺体を外側から見て異状を探し出すため、検察官や司法警察員、警察官による検視、医師による検屍・検案が行われる。それでも死因が特定できない場合は、状況や法律に基づき、病理・承諾・行政・司法からなる解剖が行われている。死後画像診断は、解剖前の遺体に対し、最新技術による精度の高い走査、解析を行うことで、死因の究明の一助となるシステムとして注目されている。一部の大学法医学教室では導入されているが、このたび東京23区の死因不明遺体の行政解剖を担う東京都監察医務院が、自治体としては初めて2014年からの導入を決定した。当面は解剖前の全遺体を診断対象とし、死後画像診断による所見と、実際の解剖所見の比較データを蓄積することで、診断技術の確立をめざす。将来的には解剖件数そのものを減らし、遺族の精神的負担の軽減にもつなげたいとしている。