東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)の被災者に、迅速な医療支援を行うための情報ネットワーク組織。複数の相手に同一内容の電子メールを一斉送信する、メーリングリストという方法を使い、支援に必要な医療情報を収集・配信するもので、2011年3月15日にスタートした。発足時のメンバーは、東北地方に土地勘や人脈をもつ医師、ジャーナリストら有志約20人。東京大学医科学研究所の上昌広特任教授が発案し、事務局は大学生ボランティアが担っている。医療関係者が入手した情報をメーリングリストで共有し、メディア関係者が社会に発信する、といった連携も特徴。これまでに被災した透析患者や介護老人保健施設(老健施設)入居者の受け入れ支援、病院間での医薬品の融通などにかかわり、3月29日には、リストへの登録者も250人を超えた。こうした民間の動きを受けて、厚生労働省は3月18日、薬事法で原則禁止されている医療機関の間での医薬品や医療機器の無許可融通(販売、授与)について、大規模災害下では違法に当たらない、とする通達を出している。