気象庁が発表している長期的な天気予報。長期予報ともよばれる。毎週発表される1カ月予報、毎月発表される3カ月予報、年に1回発表される暖候期予報と寒候期予報があり、それぞれの平均気温、合計降水量、合計降雪量などについて、大まかな傾向を予報する。1996年からは、それまでの予報文に加えて、「平年より高い(多い)」「平年並」「平年より低い(少ない)」の3階級にわけ、それぞれについて確率を発表している。1カ月予報では、短期的な予報と同じように、大気の変動をスーパーコンピューターによって力学的に計算する数値予報モデルを用いている。中長期的な予測では、計算の出発点が異なれば大きな誤差となるため、少しずつ初期値を変えて50回ほど計算し、それらの複数の結果から確率を求めるアンサンブル予報という手法がとられている。一方、3カ月予報や暖候期予報、寒候期予報では、力学的手法の数値予報に加えて、大気や海洋などの過去の観測データから将来の天候を予測する統計的手法も併用。気象庁は、1カ月先をこえる長期的な予測にあたって、エルニーニョ現象やラニーニャ現象など、太平洋赤道付近の海面水温と日本の天候との関係を利用している。