スーパーやドラッグストアなどの小売店内で、シルバー層(60~70歳代)の顧客がよく見る高さの陳列スペースのことを意味し、日用品・化粧品メーカーの花王が提唱している。一般的に小売業界では、顧客が最も見やすく、商品を手に取りやすい高さ70~120センチほどの位置をゴールデンライン、またはゴールドラインと呼び、その範囲の棚に売れ筋の商品を並べることが多い。これに対し花王は、人口の高齢化とともに増えている60~70歳代の顧客が商品を探す際の目線の動きを調べて分析し、ゴールデンラインより棚1段分(20~30センチ)ほど低い位置に目線が集まりやすいことを突き止めた。この結果から、その範囲に60~70歳代向けのロングセラー商品を置く棚割りを考え、実際に店舗で試してみたところ、売り上げの伸びにつながった。花王は2012年春から、ドラッグストアなどの小売店にシルバーラインの棚割りを提案。シニア層向けの売り場づくりとして、すでに全国の1400店以上に広がっているという。