過度の安静や体を動かさない状態が長く続くなど、生活が不活発になることで全身の機能が低下すること。学術用語では廃用症候群(disuse syndrome)と呼ぶ。症状としては、筋力の低下、関節の拘縮(関節の可動範囲が狭くなること)などの運動器障害、起立性低血圧、心肺機能の低下などの循環器障害、便秘や低体温症などの自律神経障害など幅広い。特に筋力が衰えやすい高齢者の場合、気がつかないうちに進行していることも多く、回復にも時間がかかる。日本では、2004年に発生した新潟中越地震で注目された。この地震で被災した人たちの中で、PTSD以外に適応障害や生活機能が低下する人が多くみられたことから、特に災害時に起きやすいと言われている。生活不活発病になると体を動かすことが困難になるため、さらに症状が悪化するという悪循環に陥ってしまう。生活不活発病を予防するには、必要以上の安静は避ける、横にならずなるべく座るようにする、掃除など体を動かす役割を持つなど、生活を活性化することを心がけるようにすることが重要である。また、「生活不活発病チェックリスト」の利用で、早期に発見することも可能。なお、生活不活発病チェックリストは、国立長寿医療研究センター(愛知県大府市)のサイト(http://www.ncgg.go.jp/)からダウンロードできる。