筋肉が異常に緊張して、手足や首などが意志と無関係に動いたり(不随意運動)、姿勢を保てなくなる病気。原因不明のものを本態性ジストニア、脳卒中などの後遺症で起こるものを二次性ジストニアという。筋肉の緊張を調節する大脳基底核に異常を生じ、症状が出ると考えられており、全身の筋肉に異常をきたす全身性ジストニア、一部の筋肉に異常をきたす局所ジストニアに大別される。まぶたを閉じる筋肉が緊張して起こる眼瞼(がんけん)けいれん、頸部の筋肉が緊張して首が曲がってしまう痙性斜頸(けいせいしゃけい)(頸部ジストニア)、手の筋肉が緊張して字が書けなくなる書痙(しょけい)なども局所ジストニアに含まれる。これらは音楽家、作家、タイピスト、理容師など特定の職種の人に生じやすい傾向があるため、職業性ジストニアとも呼ばれる。治療は抗コリン剤投与やボトックスなどの薬物療法が中心で、治療効果があがらない場合は手術で末梢神経を遮断したり、脳深部への電気刺激なども考慮される。2011年8月、ボーカルユニットコブクロの小渕健太郎が、発声時頸部ジストニアの診断を受け、約半年間の活動休止を発表した。