東京都の今後の防災対策の方向性と取り組みをまとめたもの。2011年3月に起きた東日本大震災の教訓を踏まえ、災害への備えを固め直すことを目的としている。東日本大震災では、地震や津波、原発事故などが複合的に発生し、距離の離れた東京都にも大きな影響を及ぼした。こうしたことから、東京都は同年9月、震災の被害や対応などをまとめた「東日本大震災における東京都の対応と教訓」を発表。ここで明らかになった問題や対応策を基に、同年11月、東京都防災対応指針を策定した。東京都では、近い将来、マグニチュード7以上の首都直下地震や海溝型地震、活断層地震などの発生が懸念されており、こうした災害から都民を守り、首都機能を維持するための早急な防災力の強化が求められている。東京都防災対応指針では、地域住民や企業などの連帯、道路やライフラインなどの強化といった、ハードとソフトの両面から対策を提示しており、具体的には、地域社会で防災隣組の構築、官民協力のもとでの帰宅困難者対策、物流・備蓄対策、防災拠点の整備、エネルギー確保による都市機能の維持などを挙げている。これは12年に開催の東京都防災会議で報告され、地域防災計画に反映される。