内閣府男女共同参画局が、3年に1回全国の20歳以上の男女5000人を無作為抽出して、配偶者・交際相手からの暴力の有無や認識、被害経験などを調べるアンケート調査。配偶者暴力防止法において、国・地方団体に、配偶者からの暴力の防止と被害者の保護、加害者を更生させる指導方法、被害者の心身の健康を回復させる方法などを調査・研究し、被害者保護にかかわる人材の養成と資質の向上に努めるよう定めている。また、第3次男女共同参画基本計画においても、女性暴力被害への的確な施策の実施や、被害の実態を把握するための調査を行うことなどを定めている。これらのことから、国内の男女間における暴力の実態を把握することを目的として本調査が行われる。2011年度調査(11年11~12月)の結果が12年4月20日に発表された。有効回収数は3293人、有効回収率は65.9%。それによると、結婚したことがある女性の32.9%が、夫から身体的暴行や心理的攻撃、性的強要などDV(家庭内暴力)被害を受けた経験があることがわかった。一方、男性は18.3%で、女性のほうが被害経験の割合が高い。また前回の08年度調査、前々回の05年度調査と比較してみると、配偶者からの被害経験の有無は、大きな変化は見られず、横ばい状態で推移している。女性の被害経験の内訳(複数回答)を見ると、殴る、蹴る、突き飛ばすなどの身体的暴行を受けた女性は25.9%、人格否定のような暴言、監視などの精神的嫌がらせや脅迫などの心理的攻撃を受けた女性は17.8%、嫌がっているのに性的行為を強要された女性は14.1%だった。被害を相談した女性は55.0%と前回調査より増えている。相談先で最も多かったのは友人・知人である。また被害女性が夫と別れなかった理由で最も多かったのは「子ども」で57.3%、「経済的な不安」が18.9%で次に多かった。