医療の現場で看護師とともに患者のケアなどを行う専門職。保健師助産師看護師法(保助看法)第6条によれば、「都道府県知事の免許を受けて、医師、歯科医師又は看護師の指示を受けて、前条に規定することを行うことを業とする者」とされている。前条とは、同法第5条に規定された看護師の業務内容「傷病者若しくはじよく婦(産褥期〈さんじょくき〉の女性)に対する療養上の世話又は診療の補助」を指す。1915年(大正4)に出された内務省令第九条「看護婦規則」の付則で初めて規定。第二次世界大戦後は人手不足の看護婦を補助する専門職として51年に「准看護婦制度」ができ、2001年の保助看法改称に伴い現在の名称になった。准看護師免許を取得するには、専門学校や准看護士養成施設等で2年以上学び、都道府県知事が実施する准看護師試験に合格する必要がある。仕事のきつさや正看護師との格差などから、長く敬遠されがちな職種と見られてきたが、長引く不況下で「働きながら2年で資格の取れる専門職」として近年注目を集めている。09年から全国の養成校の応募者数は増加に転じ、平均応募倍率は、10年度に2.8倍、11年度には3.1倍に上昇。短大・大卒者の応募も2割を占める。また高齢化の進展で、介護職員の雇用ニーズは11年の140万人から25年には240万人と予想されるなど、急成長分野として見直しが進む。ただ、医療の高度化・専門化を背景に、看護の一本化を望む日本看護協会と、准看護師養成を主に担う日本医師会との間でくすぶる准看護師廃止問題などもあり、今後は政策的な議論も求められている。