主に家庭内での医療行為に伴って排出される廃棄物のこと。在宅医療の普及によって、自己注射の注射針や点滴輸液のチューブなど、家庭からもさまざまな医療廃棄物が発生している。家庭から出るごみは、廃棄物処理法上「一般廃棄物」に分類されるため、自治体に処理責任があるが、医療廃棄物(感染性廃棄物)の場合、収集時の針刺し事故や感染性への懸念から回収しない自治体も多い。そこで、注射針などを地域の医療機関や薬局で回収している例もある。しかし事業者を経由することで法律上「産業廃棄物」となり、処理費用がかかる点がネックとなっている。医療費抑制のため国が在宅医療を推進している以上、今後も在宅医療廃棄物の増加が見込まれており、取り扱いが課題となっている。