ネグレクテッド・ディジーズ(顧みられない病気)とは、その存在自体は知られているのに、研究開発費の回収が見込めないために、製薬会社の新薬開発対象にならない病気のこと。アフリカやアジア、南米の発展途上国で多い熱帯病、たとえば眠り病(アフリカ・トリパノソーマ病)やシャーガス病などが当てはまる。2003年7月、こうした病気の新薬開発を促すため、国境なき医師団やフランスのパスツール研究所などが共同でNGO組織DNDi(Drugs for Neglected Diseases initiative:本部・ジュネーブ)を設立。07年時点で、世界各国の企業や研究機関と18の共同研究プロジェクトを立ち上げ、研究開発を進めている。