安全な自転車の利用を促進するためにまとめられた、自転車に乗る際の基本ルール・マナー集。自転車事故の増加や、間違った自転車の通行ルールが広がっている状況を背景に、自転車の交通ルールを利用者に広く知ってもらうために作成され、2007年7月10日、政府の中央交通安全対策会議交通対策本部が決定した。(1)自転車は、車道が原則、歩道は例外、(2)車道は左側を通行、(3)歩道は歩行者優先で、車道寄りを徐行、(4)安全ルールを守る--飲酒運転・二人乗り・並進の禁止、夜間はライトを点灯、交差点での信号順守と一時停止・安全確認、(5)子どもはヘルメットを着用、がその内容。自転車の利用はエコブームなどを背景に幅広い年齢層で拡大しているが、それにともなって歩行者を巻き込む自転車事故も増加し、警察庁の発表では09年は全国で2934件を記録、10年間で約3.7倍に増加した。また自転車事故件数も09年は15万6373件と、交通事故全体の21.2%を占める。事故増加の要因として自転車交通の環境整備の遅れをはじめさまざまな要因が指摘されているが、その一つに利用者のルール順守への関心の低さがあげられている。自転車安全利用五則は、自転車の安全な利用を周知してもらうための基本として、交通安全教室や警察の交通事故防止キャンペーンなどで広く使われている。