うつ病の一形態とされる精神疾患。ディスチミア親和型うつ病、新型うつ病とも呼ばれるが、明確な診断基準はなく、医学上はうつ病として扱われないことが多い。ディスチミアとは、気分障害の一種である気分変調性障害(気分変調症)をさす。主な特徴として、(1)他罰感情が強い、(2)無気力で逃避しやすい、(3)負けず嫌いな性格の人に多い、(4)中高年よりも若年層に多い、(5)身体的疲労感や不調感が続く、(6)薬が効きにくく慢性化しやすい、(7)衝動的な自傷や自殺行為に走る、などがあげられる。例えば、うつ症状で休職しても罪悪感はまったく覚えず、その間でも自分が好きな旅行や趣味ははつらつと楽しめる、というような基本性格が見られることも少なくない。そのため、従来から知られてきた自分を追いつめるタイプのメランコリー親和型うつ病とは、まったく対照的とされている。投薬治療による回復は難しいが、居場所や環境の変化によって急速に改善することもある。