口腔乾燥症のこと。唾液(だえき)が出ず口が乾く、のどが渇く、舌が痛いなどの症状がある。原因には、過度の疲労、ストレスをはじめ、加齢、薬の副作用、糖尿病、自己免疫疾患のシェーグレン症候群による唾液腺障害などがある。おもに50代以上の女性に多いが、近年は若い世代の患者も増加傾向にある。日本では推定で800万人以上の患者がいるといわれており、欧米では人口の25%がドライマウスであるという調査結果もある。特に更年期を過ぎた女性は、加齢による女性ホルモンの減少や咀嚼(そしゃく)力の低下などから、男性より唾液の分泌量が低下する傾向があるため、ドライマウスになりやすい。唾液は通常、1日1~1.5リットル分泌され、唾液中の酵素の働きで細菌の繁殖を抑える役割がある。唾液の分泌が減少すると、細菌の繁殖による炎症や歯周病、口臭、味覚障害などが起きる原因にもなる。ドライマウスの診察は、歯科病院や専門外来を設けている病院で受けられる。