ワクチン接種によって起こる身体的反応のうち、免疫獲得の目的から外れた、不必要な反応のこと。薬の場合は副作用という。すべてのワクチンについて起こり、有害なものと無害なものとがある。通常、よく見られる副反応は、微熱が出る、注射した部位が赤く腫れたり、しこりができて硬くなる、ずきずきと痛むなど。こうした症状は、数日以内に自然に改善する。ただし重症例として、アナフィラキシーショックと呼ばれる劇症型アレルギー、高熱に伴う熱性けいれん(ひきつけ)、じんましん、脳症などが極めてまれに起こることがあり、その場合は医師による治療が必要である。これら有害な副反応が見られた場合を健康被害と呼び、予防接種法に基づいて実施する定期接種では、健康被害救済制度における給付対象となる。2009年10月19日に始まった、新型インフルエンザワクチンの医療従事者への接種においては、アナフィラキシーショック症状、肝機能障害、意識低下など、副反応を疑う事例が0.0007%の割合で見られた。ただし、接種との因果関係は解明されていない。