東日本大震災で被災した小規模企業等の債務を軽減し、被災地域での再生を後押しするための法律。震災により二重ローンを抱える事業者を救済し、被災地域から他地域への産業や人口の流出を防止することを目的とする。2011年11月21日、参議院本会議で可決・成立した。自由民主党や公明党などの野党が共同で提出した議員立法で、正式名称は「株式会社東日本大震災事業者再生支援機構法」という。議員立法とは、議員によって立案・提出される法案のこと。同法によって、株式会社形式の支援機構「株式会社東日本大震災事業者再生支援機構」が公布から3カ月以内に設立され、被災企業の債権を金融機関から買い取ったり、新たに資金を貸し付けたりするなどして、被災地域での再生を支援する。支援の対象になる地域は、震災被害が甚大だった1道10県の222市町村や、原発事故による農林水産物の出荷制限を指示・要請された地域で、対象となる事業者は、中小企業や農林水産関連の事業者、医療・福祉事業者など。大手事業者や公立の法人などは対象外となる。資金規模は約5000億円。また、政府はこれとは別に、事業者の二重ローン対策として11年7月の第2次補正予算で1500億~2000億円の費用を確保し、産業復興機構を設立。すでに岩手、宮城、福島、茨城の4県で設置が完了し、運営が開始されている。今後は支援機構と産業復興機構が連携し、両方の相談窓口を一元化、債権の規模や方針などによってどちらが支援するかを決定するとしている。