炊事や洗濯といった水仕事により、手のひらや指に起こる皮膚疾患。家事に従事する女性の間で多く見られるため、主婦湿疹ともいう。洗剤や石けんの成分で手指の皮脂が奪われ、肌の保護機能が低下してしまうのが主な原因で、その状態で金属など刺激性のある物質に触れると皮膚炎(かぶれ)を生じる。症状は指先から、次第に手のひら全体に広がっていくことが多く、初期にはかさつきやひび割れなどが見られる。さらに悪化すると手の甲へと拡大し、赤く腫れたり、水ほう、あかぎれができて強いかゆみを伴う。手以外に症状が出ることはない。かかりやすいのは20歳代、30歳代の主婦で、寒さのため皮膚が乾燥し、皮脂の分泌量も減る冬の間にとくに多発する。軽症の場合は保湿クリームだけでも改善できるが、症状によっては副腎皮質ホルモン剤(ステロイド薬)による治療が必要となる。予防には水仕事用のゴム手袋や、ハンドクリームの塗布が効果的。ただし、よく似た疾患として洗剤やゴム手袋、食物などによって手指にアレルギーが起こる、アレルギー性接触性皮膚炎もあるので要注意。